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急性一過性精神病性障害

急性一過性精神病性障害の症状

別れ妄想や幻覚、支離滅裂な言動、興奮・高揚からくる錯乱状態などの症状が現れる疾患です。これらの症状は複数重なることもあります。
平常の時から精神病的症状へ変わる期間は2週間以内で、2週間を越えることはありません。
また、大きな精神的ストレスを感じやすい出来事(死別、パートナーとの別れ、失職、結婚、戦争、テロ、暴力による心的外傷など)が、発症に関係あるのではないかと考えられています。ただし、長い間続いた苦悩・困難は、急性一過性精神病性障害の発症の引き金にはなりません。
症状が続く期間は大体1日~1カ月未満と、短期間で終わるケースがほとんどです。薬物治療を行えば以前の機能レベルまで改善されるため、再発率は低くないですが、ほとんどの患者様の予後は良いとされています。ただし稀に、早い回復が難しい方もいらっしゃいます。

急性一過性精神病性障害の治療

入院治療

急な精神病的症状が起こった場合は、短期間の入院が必要になる可能性もあります。その場合は専門の医療機関をご紹介いたします。

薬物治療

薬物治療主に、抗精神病薬とベンゾジアゼピン系のお薬を使います。抗精神病薬ですが、主にハロペリドールなどのような強力な作用を持つ薬を処方します。ただし若い方など錐体外路系の副作用のリスクが高い患者様(若年層の方など)には、セロトニン-ドーパミン拮抗薬の併用を検討することもあります。ベンゾジアゼピン系薬物は、短期治療でよく使われています。どちらの薬物も、服用期間は短くするよう調整しています。

精神療法

診察短期間の入院や薬物療法だけでなく、発症した体験を患者様とご家族の間で理解し合うことも大切です。そのため精神療法は、ストレスとなった原因と症状、患者様ご自身ができる対処法などを話し合うことを目的に行われます。できる限りご家族の方も治療に参加された方が、よりスムーズに治療が進められるようになります。